はじまり

母ちゃんのギプス日記 3


3月19日

 病院の日.
いつもといっしょ.レントゲン撮って診察.

「ずれてないですね.」
「ギプスの上から撮ってるので,よく分かりませんが,少しはくっついてきてると思います」
「ずれないって言い切れないんですが,ちょっとずつ加重していきましょう」

と,また巻きなおし.何回目?
 こんなに,何回も巻くなんて思ってなかったよ

 今日の足,でてきてびっくり.
すっごくむくんでる,足首はないし,指が異常にむくんでる.青く,内出血みたいになってる.
自分の足?・・・・・・
 最近,動けるから,足を下ろしてることが多いからなぁ・・・と自分で納得.
 
 それに,今回はかゆくって,かゆくって・・・かいてしまった.
えんぴつや,さし(ものさし)をギプスの中につっこんで.気持ちよかったなぁ〜
・・・そのせいで,足がまっ白.かいた所の皮?垢?がめくれて・・・・

「今回はかゆくって,えんぴつでかいちゃいました〜」
「みなさん,すきまからやられるんですよね〜」
「ギプスから割り箸とか出てきた事,ありますよ〜」
 看護師さんとの会話.
上手はいる!

 看護師さんに足を拭いてもらう.あぁ〜気持ちいい〜
「ご自分でもどうぞ」
お!これはうれしい.
手のとどく所をふきふき.あぁ〜気持ちいい〜〜かゆい〜〜きもちいい〜〜いつまでも,ふきふき.
垢がポロポロでてきた,気持ちいい〜〜取れていくのが快感になる〜

 先生登場.カットはいつも看護師さんだけ.
「足がむくむんですよ.指のしわもなくなるくらい」
「そうですね.寝るときに座布団とかおいて,足を高くして寝たり」・・・それは,1日目からやってる!
「どうしても,骨折は出血が多いですからね」・・・・まぁ,しょうがないってことね.

 今回は膝までギプスをまく.足を下に垂らして巻いて,膝の皿の形をしっかりギプスにつける.
 なんで?
「足は曲げれるんですよね」
「あとで,少しカットしますから,曲げれますよ」
ちょっと,ほっ.
「ここの膝の部分だけ残して後ろをカットします.歩くとき,膝で支えるようにしましたから」
 なるほど!
ギプスが固まってくると,
「げた,どこにあるかなぁ.げたの方が使いやすいんだよ」
と,何やら出してきた.
 黒い,下駄????

「これを,ギプスの下にくっつけて,歩けるようにします」
 なるほど!
 足の裏に,また,ギプスの包帯で「黒いげた」を巻いてくっつけた.
「げたギプス」のできあがり.

「リハビリで加重のかけかた教わってください」
「今日は体重の1/4です」
「来週は,1/3とあげていきましょう」

来週の26日,レントゲンと診察の予約.

  げたギプス

 リハビリ室.
「体重,何キロですか?測りましょう」
 ・・・増えてる.そりゃ,食っちゃ寝してたら,太るよなぁ・・・・
「じゃ,ギプスの足だけ体重計に乗せて,まず10キロ,体重を乗せてみましょう」
 結構,のせる.
これを,覚える.覚えれる?

「じゃ,1周してみましょう」
平行棒で,1回往復したあと,リハビリ室を1周してみる事に.
 確かに,歩くと膝のところがあたってる.ここで体重支えてるのね.

「もうちょっと,体重のせてもいいですよ.10キロから1?キロまで大丈夫ですから」
 むずかしい.どれくらい体重のせていいのやら・・・・・
家でも,体重計に乗って,がんばろう!

「ちょっと,刺激してあげたほうが,よくくっつくんですよ」
「家は狭いし,ころころイスに乗って移動してるので,歩かないですね」
「家の周りを少し散歩してもいいですよ」

 帰宅.
帰りに,久しぶりにスーパーによった.
1ヶ月半ぶり.
 冷凍コーナーに人がいっぱいいてびっくり.1ヶ月半前はあの事件で誰もいなかったのに.

 そういば,雪がつもってたんだよなぁ.つい,この前まで.
もう,春なんだ.早いなぁ.
 家のチューリップも芽がいっぱいのびてた.睡蓮鉢にも,タニシがいた.
みんな,春を感じて出てきたんだ!
 今年はいつの間にか,春がきちゃった.・・・春の足音は聞こえなかったなぁ・・・
置いていかれた気分.・・

 散歩しよう.



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